ロボット支援手術は万能なのか?
ロボット支援手術とは、手術支援ロボットを使った腹腔鏡手術のことです。もちろん、泌尿器科医がこの手術支援ロボットを操作して手術を行いますから、執刀医の技量が手術に反映されます。ロボットを使うことで、執刀医は3次元の視野で手術を行えて、ロボットの鉗子には関節があるので、奥行きを感じながら切開や縫合の操作が行えます。
ロボットを使う手術では、ロボットを使わない腹腔鏡手術より格段に手術の難度が下がりました。しかし、難しい手術は難しいですから、その手術に患者さんが耐えられる全身機能を持っているのか?その病気の進行度で手術で治せるのか?しっかり見極める必要があります。ロボット支援手術でも頻度は低いですが死亡事故は起こります。決してロボット支援手術を否定している訳ではありません。私自身、ロボット支援手術をはじめとする高度手術を専門としていた一方で、学会で手術の重大事例を把握する立場にいた経験から、ロボット支援手術は万能ではない、ということをお伝えしておきます。
病気にはそれなりに難度があり、執刀医の技量がその難度を乗り越えられるのか?仮に長時間手術になったとしても、患者さんがその手術に耐えられるのか?熟慮する必要があります。手術を前に不安に感じられたら、気軽にご相談ください。