血尿
血尿の診断
血尿の原因には、泌尿器科疾患と腎臓内科的疾患に分類されます。ここでは泌尿器科疾患について説明しておきます。
必ず鑑別しなくてはいけないのは、尿路上皮がんです。尿路上皮がんとは、腎盂~尿管~膀胱~尿道に至る尿路に発生する悪性腫瘍です。進行が比較的早く、再発率も低くないがんですから、早期発見が望まれます。したがって、血尿を呈した患者さんの場合は(血尿にも肉眼的血尿から、肉眼では認識不可能な顕微鏡的血尿があります)、尿路上皮がんを鑑別することを念頭に置かなくてはなりません。詳細は血尿診断ガイドライン(図1)にしたがって診断していきます。
血尿診断ガイドライン

出典:日本腎臓学会
最新の診断アルゴリズムでは、血尿を呈した場合、尿路上皮がんのある可能性からリスク分類を行っており、リスク因子によって尿路上皮がんの可能性を疑っていきます。必要な検査は、腎病変を診断する目的で腹部超音波検査、膀胱病変を確認する目的で膀胱鏡、尿路上皮がんを疑って尿細胞診等がリスクにともなって必要となります。
検診で血尿を指摘された場合、または、血尿を自覚された場合、早期の受診をお勧め致します。